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「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会」の設立について
~権利者・権利者団体とインターネットオークション事業者が連携して侵害防止策を検討・実施へ~

2005年12月1日
  報道関係各位
インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会

 インターネットオークション(以下、「オークション」)は、個人間でも手軽に様々な商品の売買が可能であるとして、人気を博しています。
その一方で、音楽CD、アニメや映画などの映像ソフト、ゲームソフト・ビジネスソフトなどの海賊版や、ブランド製品、家電製品、オートバイなどの模倣品が、数多く出品されており、著作権、商標権、意匠権などの知的財産権を侵害する行為が発生しています。これらの行為が行われると、知らずに海賊版や模倣品を購入した消費者が被害を受けるだけではなく、知的財産権の保有者(権利者)も損害を受け新しい商品の開発に支障が生じたり、サービスが悪用されることでオークションの利用や発展にも支障が出るおそれがあります。
 そのため、権利者(団体)とインターネットオークション事業者(以下「オークション事業者」)では、これまで、それぞれ、規約を整備する、出品を停止する、注意喚起文を送付する、悪質な利用者に対しては刑事告訴を行うなどの対策を実施してきました。
 これまでの取り組みの効果をさらに高め、消費者やそれぞれの利益を守っていくために、権利者(団体)とオークション事業者の間で、オークションなどにおける問題や課題などの情報を共有し、共同、連携して知的財産権を侵害する品物の流通防止に向けた活動を検討する場として、「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会」(以下、協議会)を2005年12月1日に設立しました(設立メンバーについては別紙のとおり)。


 今後、この協議会では、オークションなどで生じている知的財産権に関する問題や課題について、次のような活動をしていくことにしています。

 ・権利者(団体)とオークション事業者が共通した認識を持つため、情報を共有する。
 ・両者が連携して取り得る対策について検討し、その実施を行う。
 ・法整備などが必要とされる事項に関しては、関係機関に対して制度提言などを共同して行い、両者が連携してその実現に努力する。


具体的には、当面、以下の事項について検討を進め、2006年3月末までに協議会としての意見集約を目指します。

1.  出品者の情報の開示制度
 オークションを悪用して知的財産権を侵害する品物が出品された場合であっても、現在の法律制度の下では権利者が出品者の身元を確認し、法的に責任を追及することが困難であるため、それが海賊版や模倣品の出品を増加させる一つの要因となっていると考えられています。そこで、海賊版や模倣品などを出品した者の情報を権利者(団体)に対してどのように開示することが適切であるか、その仕組みや制度について検討します。加えて、情報開示の前提としてオークション事業者が正確な出品者情報を把握するための仕組みや制度のあり方についても検討をします。


2.  出品停止活動の強化
 海賊版や模倣品などが出品された場合に、それが実際に落札され、知的財産権を侵害する品物が拡散されることを防ぐためには、オークション事業者による海賊版や模倣品などの出品停止が迅速かつ円滑に行われる必要があります。そこで、オークション事業者が海賊版や模倣品の出品停止を安心して行うことができるための仕組みや制度の在り方について検討します。


3.  共同啓発活動の強化
 権利者(団体)、オークション事業者ともに、これまで、オークションの利用者に対して、知的財産権の侵害をしないように啓発活動を行ってきています。今後は、利用者に対して一層の浸透を図るため、両者が協力して実施できる啓発活動などを検討し、それを積極的に共同して実施していきます。


 なお、本協議会は民間の権利者(団体)とオークション事業者から構成される組織ですが、制度提言などを行うにあたって助言を頂くため、関係省庁にはオブザーバーとして参加をして頂くこととなっています(オブザーバーとして参加する関係省庁については別紙のとおり)。



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